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NPOレポート
 

 

■特 集

企画段階から一緒に考える「協働」A

                       

                      宮崎大学教育文化学部 

           根岸助教授に聞く

 


 

 

 

(編集部)企画段階から一緒に考える「協働」をどう思いますか。

 ドロップインの原田さんが、「問いの共有」ができなければ、いい協働はできないと言ってました。

同じ問題意識を持って、それぞれの資源を持ち寄る。

行政の組織のような上下関係ではない役割分担が必要です。

 今はまだ、行政が「やらせてあげる」という意識があるようです。

まず、行政に変わってもらいたい。

また、NPOが行政に代わって、全部の責任を取れるわけではありません。

NPOの責任の取り方、事業の進め方のルールも必要です。

(編集部)どこから「協働」をスタートすればいいですか。


 新しい「公共」の考え方から入っていくのがいいと思います。

これまでは、「公共」=「官」でした。官がやるから公共、官がつくるから公益法人でした。

 「公共」=「官」ではなく、みんなの利益を実現するために、さまざまな担い手が関わる。

たとえば、みんなの利益のために個人の資源を提供すれば、それは「社会資源」です。

民の専門性、多様性を社会的資源として活用できれば、いろんな組み合わせ、

関係の仕方がある。そこから協働のルールづくりが始まります。

(編集部)全国の自治体が「協働の指針」をつくっていますが…

 全国の「協働の指針」には、協働の理念のほか

@「行政の発注マニュアル」になっているもの

ANPOが主体的に協働のルールを提案しているもの


   があります。

 「誰のためのルールか」が大事です。

役所のためなのか、NPOのためなのか。

NPOのためであり、NPOと協働したい役所や企業のためにもなる。

 大和市は、「成長するシステム」という言葉を使っていますが、

「企画段階から一緒に考える」NPOと行政ためのルールを、

積み重ねて、走りながら直していことが必要です。

(編集部)NPOと行政が「一緒に考える」には…

 行政がNPOと一緒に考えるなら「情報公開」が前提です。

パブリックコメントをアリバイにした情報公開ではなく、

問題を共有する、一緒に考えるための情報公開です。

 当事者、関係者に意見を求めることもなく事務局案をつくり、

形式的にパブリックコメントを実施するだけの情報公開は意味がない。

 行政は、最初から、完全な(すきのない)システムを求めるから無理がある。

「成長するシステム」を前提に、情報公開にチャレンジしてほしいですね。



 
   
   
 
 
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