NPOパートナー・リレー・トーク
 

第3

日本一 安全で きれいで
楽しい
宮崎の海




  宮崎のNPOと企業つなぐNPOパートナー・リレー・トーク。

第3回は、宮崎サーフライフセービングクラブの藤田さん。

 サンビーチ一ツ葉で、ビーチボールが風に流されて沖の方に向かったとき、レスキュー用のサーフボードで、波間を滑るように近づき、取ってくれた人。オーシャンドームで泳いでいるような安心感に、見ていた人たちもホッとしました。宮崎のきれいな海が好きだから、もっと楽しんでほしい。そんな海のNPOのお話です。

(編集部)宮崎初の「ライフセービング」団体のきっかけは?

 宮崎青年会議所の50周年企画のひとつとして、宮崎の海の安全を守る組織をつくりたい。その気運を盛り上げるためにつくった組織です。ライフセービング世界大会誘致も視野に入っていました。

 藤田さんは宮崎出身。湘南の会社(ビーチプロダクション)で、5年間、ライフセービングを実践していました。冬はオーシャンドームで働いていたこともあり、宮崎初のライフセービング団体の設立に参加しました。

 設立した年、サンビーチ一ツ葉のオープンを機に、夏も、宮崎で仕事をするようになりました。

2年目からは、青島ビーチの仕事もしています。夏の仕事は給料がもらえますが、通年の活動はボランティアです。毎月、第2日曜日の海岸清掃のほか、木崎浜でのボランティアパトロール、子どもたちが、ライフセービングとサーフィン、ビーチスポーツを体験できる「みやざき海の学校」もやっています。


(編集部)子どもを助けようとして、親が遭難する事故もありますね。

 人命救助には、ふつうの人の3倍の体力が必要です。水難事故の25%は、助けようとした人が亡くなる二重事故です。人命救助ではなく、事故を未然防止するのが、ライフセービングです。

 湘南の海では、Gパンを履いたまま泳ごうとしたり、お酒を飲んで海に入る人がいました。宮崎では、様子がおかしいと思って近づいて声をかけたら、足をつってパニック寸前だったということもありました。

 

(編集部)NPOとして、どんな活動をしたいですか。

 同じマリンスポーツでも、種目が違うと、あまり仲が良くないんです。湘南では、他のスポーツをしている人との接触などのトラブルがありました。そんな時、中立的な立場で、調整役になることがありました。

  昨年、10月下旬に、宮崎市観光協会の呼びかけで実施した「海のカーニバル」の実行委員長を勤めました。

 マリンスポーツ団体の横の連携をつくる、夏以外にも、宮崎の海を楽しむことが目的でした。

 ビーチクリーンを一緒にやって、きれいになった海でコンサート。拾ったゴミが、コンサートのチケットになる。ビーチマッサージもやりました。

 海辺から宮崎を元気にしたい。                                            

私たちは、宮崎の海の安全については、スペシャリズムを持っています。 

 これから、宮崎の海を楽しむ提案を増やしていきたいと思います。 ビーチウォーキング。毎週土日に、海の遊びの時間。昨年の夏、青島ビーチに登場したアウトドア用の車いすも活用したい。

 9月には、宮崎で初めてのライフセービング大会をやります。昨年の大分大会で、宮崎のメンバーが優勝したので、宮崎開催になりました。

 また、「命を大切にする気持ち」「自然に対する尊敬の念」を子どもたちに伝えたいですね。          

 ドイツの子どもたちに、道端で倒れている人がいたらどうするかを聞くと、8割が、気道を確保して救急車を呼ぶと答えるそうです。日本の子どもたちが「気道を確保する」と答えられるでしょうか。

 思いやりの気持ちが、ライフセービングのスピリッツです。海に入るときは、ひとりでは入らない。パートナーの異変を気にかける。自分自身を守ること、人を守ることは、もっと簡単にできることだと教えたいですね。

(編集部)NPO法人化するんですか。

  実は、書類の準備はできてるんです。本当にNPOで法人化した方がいいかを、仲間で相談しています。  5年間、活動してきたけど、仲良しクラブになっていないか。参加したい人がいても、入りにくいのではないかと思うこともあります。

  ライフセービングは、オーストラリアでは、100年前から公務員がいます。子どもたちの、あごがれの職業ベスト3です。ニッパーズと言って、幼稚園から参加できるクラスもあります。引退したら、インストラクターになって、子どもたちを指導したりします。

 日本では、通年、ライフガードをしている人はいません。オーシャンドームがある宮崎と違って、夏以外は、違う仕事をしています。宮崎は、海の観光にも力を入れているので、可能性を持っています。トライアスロンやサーフィンの大会にも、ライフガードは必要です。

 宮崎なら、体力が落ちたら引退するのではなく、ずっとライフガードに関われる生活ができる。

そのためには、ライフガードの団体が法人格を持つ、キチンとした組織にする必要があると思います。

(編集部) リレートークの次に登場してほしい人を紹介してください。

 マリンスポーツに注目して、昨年の「海のカーニバル」でお世話になった「NTTネオメイト南九州」の湯地さんです。  

 ライブカメラなど宮崎の海を全国、世界に発信している「い〜波ドットコム」をされている方です。

   
   
 
 
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