街が元気だネット!
 
 
NPOレポート            
 
 

 

どこでもドアはどこへ行く

   

福岡より遠いニシタチがある?!


付き添った障害者の財布の中から、福祉タクシーの料金を支払ったとき 時任はあぜんとした。

わずか片道15分ほどの往復に1万円以上かかる。
自分たちが福岡を往復するより高い料金で、ニシタチを往復する人たちがいる。
しかも高校生並の門限(運行時間帯の制限)があるなんて…

  「24時間年中無休の移送サービス」という言葉が時任の頭に浮かんだ。
無理だとは思わなかった。ひとりではできないとだけ思った。
それから中山がうなづくまで、1年半かかった。

 ムチャだと誰もが言った。
利用時間の少ない深夜にコンビニでバイトすれば いつでも移送サービスに対応できる。
ただでさえ顔色の悪い中山に、 途中でつぶれたら障害者に迷惑がかかると叱責する人もいた。
その人が福岡に転勤していた3年間、時任と中山は、病院、郵便局の夜勤をしながら 原則24時間年中無休の移送サービスを続けた。

 「移送サービス」は道路運送法では「白タク」と同じ違反になると公務員は言った。
通告があれば、行政は法律違反を指導せざるを得なくなる。
そうならないように、患者移送限定の個人タクシーの免許を取るようすすめられた。
これまでのバス並の料金が、タクシーと同額になってしまうが 法令違反で摘発される心配はなくなる。

 平成15年4月から、どこでもドアはタクシーになった。
NPO法人として、介護保険の訪問介護と居宅支援事業も始めた。
21名の有給スタッフが、ヘルパーと運転手になった。
気がつけば、NPOを仕事にした男たちがいた。

 

  3年間の活動報告書をつづったファイルの背表紙に、 「俺たちの夏 〜軌跡を残して〜」と書いた時任は 障害者の住居さがしに苦労した経験から、 今度は、不動産屋になるかもしれないと言った。
 

 

     その背中に「俺たちの夏は終わらない」と 「伝説の担当者」が声をかけた。

 

 
   
 
 
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