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NPOレポート
 
 

 

宮崎NPO事情 特別編                        
『第1回YOSAKOI ソーラン祭りは「学生のデモ」だった!』

 
 

第1回のYOSAKOI ソーラン祭りが終わって、6月15日午前10時30分、
大会実行委員長の長谷川岳氏は、警察にいた。

「街を舞台にする」祭りなのに、2週間前になっても、札幌大通りの道路使用許 可が出ない。
法学部の学生が、長谷川岳に耳打ちした。
日本国憲法には表現の自由がある。デモ行進は国民の権利だ。

 こうして1車線3時間の使用許可が出た。今度は、学生がリベンジした。
祭りは、3車線9時間占拠し、未曾有の大渋滞を引き起こした。
実行委員長は警察に呼ばれた。3時間だけ説諭された。

 昨年6月の第13回YOSAKOI ソーラン祭りの観客動員数は208万人に達した。
専属スタッフ10名、学生実行委員会120名、市民ボランティア4000名、
プロ警備員1500名、警察官1500名が支える祭り。
この事務局のNPOから、株式会社yosanet(http://www.yosanet.com/)が生まれた。

宮崎県で、紀宮様の御臨席で全国ボランティアフェスティバルが開催された2年
前、「街を舞台に」プレ大会が開かれた。

 宮崎駅前の高千穂通りが整備され、建設省の賞をもらっていた。
舞台は、ここだ。街の人たちに、日常の中で、ボランティア活動を見てもらうには
ここしかない!と県の担当係は思った。
大阪大会が、休日のオフィスビルの会議室を無料で借りで実施したのを参考にし
た。
県社会福祉協議会のスタッフが、郵便局や生保ビルの会議室を全部当たった。
誰かが、歩行者天国にしたいと言い出した。
警察の許可がいるので、県職員が動いた。バスの迂回ができればと言われた。

前の職場で付き合いのあったバス会社の人に相談した。
技術的に可能な方法を見つけてくれた。

 もう一度、警察に当たった。
今度は、プロの警備員を50名つければOKと言われた。
ここで、予算がないからと断念した。

 2005年2月26日(土)、長谷川岳氏は宮崎で講演した。
その話を聴きながら、こぶしを握り締めた聴衆がひとりでもいれば、
そのひとりが、立ち止まらずに進んでいけば、宮崎は変わる。

今でこそ、知事招宴や市長招宴があり、官民バランスの取れた体制になっている
が、YOSAKOI ソーラン祭り組織委員会が、初めから、こんな組織だったら、
今でも、10チーム、1000人の祭りだったと長谷川岳は言った。
組織は、本来、ものごとを達成するために機能するもの。
バランスを優先した組織は動かない。
 行政も、補助金から規制緩和へ、さらに公共性の担保へ。
有料の桟敷席は、他の祭りでもあるが、道路敷を使ったのは、政令指定都市の中では
日本初。

 事務局がお世話係にならない対等な関係。
自己負担、自己責任型の参加の仕組み。

 いいものは、官民問わずに参考にする。
ディズニーランドは広告費を3%しか使わない。30%を情報発信の価値を高める
設備投資に使う。
一方、行政がスポンサーのイベントは、予算の2割以上を広告宣伝費に使っている。

 祭りの三ヵ月後にフォーラムを開く。
全チームのリーダーを集める。
参加しないチームは、来年は出場できない。
  ここで、リーダーシップ論、メーキャップの技を身に付ける。
今回の反省点をもとに、次回の参加要綱を決める。

 宮崎のNPOが学ぶことはたくさんある。でも、宮崎で始めていることもある。
行政の枠組みを拒否したところから、「えれこっちゃ宮崎」は始まった。

 花火の協賛金を実行委員会が集める「まつり延岡」の委員長経験者たちが、
「天下一薪能」の推進役になった。

  講演会の会場で配られた資料には、2004年10月11日付けの日経新聞の記事があっ
た。
  出資を募るNPO」「非営利型株式会社」という新しいスタイルの法人が紹介され
ている。

  NPOなら失敗を繰り返せる。そこから掴める現場のニーズを知っている。
企業のシンクタンク的な機能も担える。
福祉の現場にいるNPOなら、特許申請できるノウハウがある。
長谷川岳氏のプレゼンを受けて、宮崎のNPOは、どう動くのだろうか。
「宮崎NPO事情」から、目が離せなくなる。
 

 

 

 

 

 
   
   
 
 
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