*このレポートは、「メディアミックスによるNPO・ボランティア広報事業」(宮崎県社会福祉協議会委託事業) の一部です。
【お話】事務局 日高さん(左)、木下さん(右)
豊かな自然と歴史が残る「生目」で、昔ながらのマン・パワーに支えられて。みんなの笑顔がやりがいです。

◆きっかけは・・・
 生目の商工会のまちづくりの一環としてスタートしました。生目でまちづくり、地域づくりの提案をしていったんですけど、その中で東九州高速道路の宮崎西インターができたときにハイウェイ・マラソンを実行委員会でやったんです。宮崎市を中心に清武町とか近隣地域も巻き込んで、それが最初の大きなイベントでした。そのときの剰余金を有効利用するために、生目商工会の地域振興推進委員会が中心になって、まちづくり協議会というものができました。それを2年間ぐらい続けたあと、さらに発展させる形でNPO法人を平成15年6月に設立しました。
 地域のことは地域の人たちが主役になって動かしたほうが良いでしょう。生目は高齢化率の高い地域です。耕作放棄地が増えてきたとか、里山が荒れてきたという問題を抱えています。でも元気で働けるお年寄りもたくさんいるんです。そういう方々に手伝ってもらって、生目の自然と景観を守り、住み良い地域を住民の手で造っていきたいと思っています。
駐車場
 
花壇植栽
 
稲刈り
 
生き生き市民農園
 
お米贈呈(生目社協へ)
 
昼食会

◆主な活動は?
 生目の杜運動公園を中心に周辺地域を活動拠点にしています。主な活動は次のようなものがあります。
■生目の杜運動公園の駐車場管理
 平成15年に生目の杜がオープンし、ホークスのキャンプも始まりました。それと同時に駐車場の管理を行政から委託され、現在も続けています。
中央プロムナード花壇の花の植え付け、維持、管理、業務
■はんぴドーム周辺の花壇約300平方mの花の植え付け、維持、管理   

 自主事業として、次のような事業を行っています。
市民農園事業  
 生目地区は農業後継者不足により耕作放棄地が増えています。このことから、特定農地貸付法の改定に伴い、NPO法人や企業等も市民農園を開園できることになったことから、H18年10月にNPO法人としては宮崎県内で初めて市民農園を開園いたしました。キャンセル待ちが多かったことから、H21年4月に第2農園を開園いたしました。耕作放棄地が増えると外観を損ね、病害虫の繁殖、鳥獣害の拡大、廃棄物の不法投棄など問題が発生します。市民農園は耕作放棄地を再生・有効活用できます。また、農業を経験したことのない方が自分の手でそだて、収穫する喜びを手軽に体験でき、土に触れたい、緑を育てたいそんな願いがかないます。
 私達の団体の営農指導員が無農薬、低農薬または有機農法で指導しますので安心安全な農作物をつくることができます。農園利用者同士も意見交換しながら心の触れ合えることのできる市民農園だと思います。
■生目小学校 5年生 生き活き農田  
 生目小学校との協働でいきいき農園田植事業を行っています。地元の小学生の食育につながる事業です。

 あとは生目や近隣地域からボランティアを募って、クロスカントリー大会の協力、ジョギング駅伝大会でのコース管理(誘導など)、生目の杜周辺の一斉清掃を行ったりしています。キャンプの時期、慢性的な駐車場不足を少しでも緩和するために土地を整備して臨時駐車場の運営もしました。

◆活動を通してうれしかった事は?
 ありふれたことですが、利用者に喜んでもらえたことでしょうか。たとえば自分たちが管理している花壇を見て「きれいねぇ」と言ってもらえたり、花壇の前で旅行者や観光客の皆さんが写真を撮っている様子を見たりすると、うれしくなりますね。

◆どんなところにやりがいを感じていますか?
 やっぱり利用者に喜んでもらえるところです。花壇もそうですが、市民農園も空き待ちがでるほど大好評ですし、生目小学校の5年生と行っている田植事業など、お礼の作文をもらったりすると涙が出るほどうれしかったです。この生目小学校と協働の田植え事業は、まずできたお米を5年生の調理実習で使ってもらいます。そして次に全校生徒で食べてもらいます。その残りを子供さんたちが社協にあげるんです。すると今度は社協から地域のお年寄りで構成される見守り隊の方々の昼食会に使ってもらってます。お孫さんたちが作ったお米を、おじいちゃんおばあちゃんに食べてもらって、そのお返しじゃないですけど、おじいちゃんおばあちゃんが見守り隊で子供たちを見守ってくれる。子供たちの食育とお年寄りの生きがいにつながっている事業なんです。ひとつのことからいくつも広がる、ひとつの事業からどうやって発展させようかといつも考えてやってます。  
 また、私たちの事業は地域のお年寄りの方にお手伝いいただいている事業があるんですけど、申し訳ないんですが少ししかお給料を支払うことができません。でも、「働くことが楽しい」と嫌な顔ひとつせずにいつも来てくださいます。そういう元気な笑顔を見ていると、少しは生きがいづくりに役立ってもらえているのかなと感じますね。


◆この活動を通じてどんな事を実現したいですか?
 そういうことを考えたことがないですね。利用者に感じるままに喜んでもらえれば、それで良いんじゃないでしょうか。どんな事を実現したいとか、そういうことを考え出したら計算が生まれてくるような気がします。計算してできることではないし。ここが(スローライフ宮崎)が続けて行けているということは、私たちの想いを理解してもらえてるんだと思います。それで良いんじゃないでしょうか。

◆5年後どんな活動をしていますか?
 生目の杜全体、古墳群も含めた施設全体を運営してみたいですね。地元の方々を集めて、運営からすべて地域住民で管理していきたいです。だって、地域の財産ですよ。代々ずっと受け継がれてきた土地なんですから。地元の人が積極的に関わることで、もっと良くなると思います。地元も活性化して、地域経済もうまく回るようにしたいです。あと農産物の直売所の運営。これは設立当初からの目標のひとつです。ホークスのキャンプも来て、県内外からたくさんの観光客に来てもらえるようになりました。そういう方々に生目でできた農産物や特産品をお土産で買っていってもえるようになると良いですね。

◆協働事業への考え、取り組みについて
 生目の商工会や振興会とも連携を取って活動しています。行政からの委託事業だけではなく、自主事業も近隣の団体や学校などと協力してます。もちろんこれからも、地元の生目に暮らす方々といっしょに続けていこうと考えています。協働とは、今までのピラミッド型の組織形態ではなく、横のつながり、誰かがどこかの傘下でその指示に従うというのではなく、それぞれが対等の立場で協力し合い問題解決に当たるというものだと思います。たとえ小さな団体でも地域のことを考えて、それぞれが行っている活動をつなげていけば、大きな力になります。上手に手を取り合って、連携を広げていく、もう少しやりやすくなると良いのですけどね。管理されるのではなく、連携をとるというやり方が浸透してくると良いですね。まだまだ協働って、難しいです。

◆最後に一言PRを
 私たちは生目という地域を中心に、自然保護や美化活動など、地元の活性化のための活動を続けています。特に市民農園事業は大好評で、近々第3農園を開園する予定です。本当の豊かさとは何なのか。豊かさの基準は100人いたら100通りの「豊かさ」があって良いと思います。なにも経済だけが豊かさの基準ではない。いろいろな選択肢をたくさん提供できるような活動につなげたいと考えています。子どもから高齢者まで大きな輪を広げ、元気なまちづくりができるさまざまな活動をこれからも広げていきたいと思っています。 

〜お問い合わせ・連絡先〜

 名 称 NPO法人スローライフ宮崎
 代表者 長谷川 五一
 住 所 宮崎県宮崎市大字富吉793番地1 
 会員数 96名
 電 話 0985−62−4233
 FAX 0985−62−4233
 URL http://www.slow-life.or.jp/
 
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