*このレポートは、「メディアミックスによるNPO・ボランティア広報事業」(宮崎県社会福祉協議会委託事業) の一部です。
【お話】ポン太クラブ
会長 外山明美さん
自分で障がいの知識を学びたい。知的障がいについて何も知識がない私。子どもと一番長く一緒にいる私が、何かしてあげるのが一番いいわけで。ただ単純に勉強したい、それだけでした。『自分に出来る事をできる範囲で楽しみながら』がモットーです!・・・とポン太クラブ 会長の外山明美さん

◆きっかけは・・・
 知的障がいの我が子のことで相談に行っていましたが、それ以外でももっと知識や情報が欲しいと思っていました。そのことを先生に相談したら、「4〜5人集まれば話をするよ」と言ってくだいました。それが元になり平成17年3月に学習会をすることになりました。
 知っている保護者に声をかけたら20人くらい集まり、そこには子ども達も集まりました。託児が必要となり、近くの専門学校へボランティア募集のお願いに行きました。学生ボランティアが10人くらい来てくれて、また作業療法士や支援学校の先生方など、療育関係の先生方も来てくださいました。学習会は、大成功、それが最初のポン太でした。この時の経験で、保護者同士での情報交換、勉強会は必要だということから定期的にすることになりました。

◆「ポン太クラブ」誕生
 その後、1年間の試行期間を経て、「ポン太クラブ」を平成18年4月に立ち上げました。現在、活動は3年目。ちなみに「ポン太」は、我が家の犬の名前です!!

◆現在の主な活動は・・・
キッズ登山
 
関之尾・カレー作りと川遊び
 
レクレーション
 

レクレーション

 
ロゴ

●年8回の学習会
  様々な専門領域で活躍されている方を講師としてお招きし、子どもの個性や育て方などを学んでいます。自分達が悩んでいることを話したりアドバイスをもらったりと、皆で一緒に話し、考えています。これを行うことで、つながりも広がっています。

●年5回の交流会、ポン太キッズ
  子ども達を中心に、家族や学生・社会人ボランティアが集まって、季節に合わせた遊びを一緒に楽しんでいます。公園での遊びや草スキー、川遊びやカヌー体験、登山に物作り、みんなでカレーを作って外で食べることもあります。身体をいっぱい使っておもいっきり遊ぶ子ども達や、一緒に遊んでくれる学生ボランティアさん達の笑顔がとってもいいんです。お母さん達もニコニコですよ


●会報発行とメールでの情報提供
  ポン太クラブの活動報告やお役立ち情報を掲載した会報は、会員と関係者に郵送します。「ポン太通信」と称するメールで、交流会や学習会、他団体主催の講演会などの情報も伝えるようにしています。メールについては、会員・非会員関係なく欲しい方にはどなたでも情報を提供しています。
 自分もそうでしたが、欲しい情報は気軽に得ることができないのです。どこから聞いていいのか、教えてもらえばいいのか何もわからない。情報を得られるだけでも大きいです。

●相談
  いろんな方からお話を聞かせていただいています。例えば、同じ立場の親同士でお話することも大切だと思いますし、ポン太に関わってくださっている先生方ともお話はできますよ。どなたでも気兼ねなくご連絡をください。


◆ポン太キッズは・・・
●様々な子どもが集まる、年齢幅
  ポン太に集まる子どもたちの障がいや診断の有無、種類、程度は、本当にばらばらで、いずれかの方向に限定されてはいません。普段、我慢することの多い兄弟・姉妹も一緒に参加できます。子ども達みんなを大切に思うのがポン太です。今は赤ちゃんから高校生までが参加しています。

●一緒に集まり、活動していこう
  キッズに関しては、子どもたちを預ける託児とは意味が違うので、参加は会員制をとっています。ボランティアさん達のおかげで出来る活動でもあるし、親の自分達も出来る事をしていきたい。みんなと協力しながら、生涯にわたってお互いに支え合っていきたいと思っています。

●子ども達が思いっきり楽しめる時間をつくる
  学校や家、その他、様々なところで我慢している子ども達もたくさんいます。上手に気持ちが伝えられず、伝わらずに苦しんでいる。上手に友達と遊ぶ事が難しかったり、身体や手先を思うように動かすことが簡単ではなかったりということもあります。だから、ポン太の交流会では、気持ちも身体もいっぱい使って、おもいっきり遊んで楽しんで欲しいと思っています。

●学生ボランティアの役割
  お兄ちゃん・お姉ちゃんは、子ども達を一緒に遊びながら助けてくれます。上手に優しくさりげなくフォローをしてくれます。ポン太では、子ども1人に対して、必ず学生ボランティアが1人〜2人担当でつきます。子ども達はお兄ちゃん・お姉ちゃん達が大好きで、一緒に遊べるからポン太にも参加するんです。学生ボランティアさんは、それくらい大事で、子供達にとってとても大きな存在になっています。

●社会人ボランティアの役割
  子どもと学生が遊ぶのを見守ります。学生が子どもにどう対応していいか分からない時にもサポートに入ります。またアドバイスもします。子ども達の状態や様子も見てもらい、保護者ともお話してもらっています。
 社会人ボランティアには、作業療法士、臨床発達心理士、臨床心理士、言語聴覚士、看護師、保育士、教員、保健師などがいます。

●保護者の愚痴場、情報交換
  保護者は、必要に応じてお手伝いをします。また、保護者同士で話したり、先生方と話したり。大変さのわかる者同士で、愚痴るだけでも大きな意義があります。我慢しすぎずに自分をだせる場所、仲間は必要です。また、子ども達が通うそれぞれの学校でも違いはあるし、幼稚園・保育園、小学校、中学校、高校、縦の情報はとても大切ですね。

ポン太は小さな社会です
 コミュニケーションが苦手な子どの達、遊びをみていても確かにバラバラかもしれません。 でも、活動を続けていくうちに、子ども同士で友達関係ができ、集団活動も広がってきていきます。そのために、集団を意識した遊びを入れたり、きょうだい同士でのグループを作ったりといった工夫をしています。学生さん達が一緒に活動する事で、スムーズにいっている部分が多いのかもしれないですね。ちょっとした声かけ、さりげないサポートが大事と感じます。 

◆今後の目標は
 手を広げていくことを今は考えていません。クラブを長く続けていくことが最も大切だと考えています。来て楽しんでもらって、学生さんも勉強、先生も勉強、みんなで力を合わせて、それぞれが持つ力をそれぞれの立場で役立ててもらうことだと思います。
 親が自分の子どもの診断を受けたあと、どこにどう相談していいのか分からないという問題に直面することがあります。また、具体的な診断名はつかないが、個性的でおそらく少数派だと思われる子どもさんもいます。そういう不安を抱えたご家族と一緒に支え合っていけたらと思っています。
 今後、子どもと家族、教育、医療、行政などがさらにつながっていくため、お役に立てる集まりであればと願っています。

〜お問い合わせ・連絡先〜

 都城地区 子どもと家族・関係者の集まり「ポン太クラブ」
 会長  外山 明美
 電話  0986-26-1702
 FAX  0986-26-1702

ライターズEYE
 知的障がいのお子さんを持ったことが活動のきっかけのようでした。その当時は大変悩まれたこともあったと思いますが、すごく明るくバイタリティーあふれ
 自分たちの出来る範囲で、活動を長く続けるという信念をお持ちで、特にNPO法人にすることは、今は考えられていないみたいです。“助成金もらうのもいいけど、書類書きが大変”と明るく笑われてました。地域のネットワークづくりがすごくうまい方のようで、“考えるよりすぐ行動”を実践されて、関係するいろんな方々の協力で会が成り立っていました。今後の活動の広がりに注目です!!
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