*このレポートは、「メディアミックスによるNPO・ボランティア広報事業」(宮崎県社会福祉協議会委託事業) の一部です。
【お話】延岡市ボランティア協会
代表:松下 宏さん
私が会長になってまず取り組んだのが、財政の健全化です。NPO法人も収益事業をきっちりやらないと、安定した組織運営ができません。

◆きっかけは・・・
 延岡市ボランティア協会は、昭和54年に発足し、平成14年にNPO法人に認証されました。
NPO法人になって6年目になります。私は、会長になって4年目です。

◆どんな活動を行っている団体ですか?
 現在登録団体が35団体、会員数が約3,000人位になると思いますが、本来はその登録団体の中間支援組織として発足したと思います。現在では単独の事業や延岡市からの受託事業等も行っています。高い志と地域を愛する熱い思いを持った人達がパワフルに活動する団体です。毎月の理事会、評議委員会が組織的にきっちりと運営されており、会員間の信頼関係、協力体制がしっかりしています。
 イベントなどを開催するときでも20人〜30人の実行委員会が立ち上がり、実施までに2〜3回は会議を開いています。ボランティアの依頼があると、その情報を会の所属団体に流すことで、ボランティアを募ることが出来ます。まさに、もちつもたれつの関係ができあがっています。

◆この法人を立ち上げるきっかけはなんですか?
事務所のある建物
 
左:松下会長 右:事務局の斉藤さん
 
ふれあい子どもボランティア教室
 
2008年運動会
 
第5回夢キャンプ
 
第12回福祉まつり
 
第14回ふうせんバレー大会
 
第27回福祉バザー

 活動を組織的に、また活動が活性化をすると、事務局体制の充実と経済的な安定が求められますので、公の委託事業を受託したり、補助、助成金等の件も有り法人化をしなければならなかったかと思います。


◆今までで嬉しかったことは?
“泳ごう会”で、重度心身障害児を、ヘルストピアのプールに連れて行ったとき、子供を抱いてプールに入ったんですが、うれしそうな顔をしてくれたときに喜びを感じましたね。 自分がやったことで人が喜んでくれたことが一番でした。

◆苦労されていることはありますか?
 活動資金の不足です。私が会長になってまず取り組んだのが、財政の健全化です。NPO法人も収益事業をきっちりやらないと、安定した組織運営ができません。収益事業や委託事業で、少しは安定してきています。ボランティアから始まり、有償ボランティア、そして専従のスタッフをおくことができました。

◆主な活動は?
☆福祉に関する行事の開催
 障がいのある方と、一般市民・ボランティアの方の交流を図る行事を、年間を通じて企画・開催しています。

「のべおかふれあい福祉まつり」
 市民一人ひとりが、楽しくふれあいながら、福祉について理解を深める場として開催。
 内容は、施設・特別支援学校の作品展示・販売や、手話・点字の体験コーナー、福祉機器展や、献血コーナー等、福祉に関わる催しだけでなく、おもちゃライブラリー・似顔絵コーナーや、お茶の野だて、ステージ演奏や、消防・警察車両の展示、地場産品コーナー等、子どもからお年寄りまで楽しめるコーナーを設置しています。
 又、市内の高校・大学を中心に、100名以上の学生ボランティアに参加して貰っており、若い世代のボランティア活動への誘いの場としても活用されています。
 毎年5月頃、延岡市の助成金や共同募金の補助を受けて開催しています。

「夢キャンプ」
 障がいのある方の自然への親しみの機会として行っています。
 障がい者、ボランティア合わせて、100名程の方が参加し、地引網やキャンプファイヤー等普、段味わえない体験をして貰っています。
 車イスの方等がスムーズにキャンプ生活を行えるように、ボランティアの手で、スロープや遊歩道の設置をしています。
 毎年秋頃に、「ふるさと愛の基金」の助成を受けて開催しています。

「ふれあい福祉運動会」「県北地区ふうせんバレー大会」
 運動・スポーツを通じて、障がい者と市民の交流を図り、お互いの理解を促進し、親睦を深める事を目的としています。
 ふうせんバレーは、鈴の入った風船で行うバレーボールで、障がいのある方もボランティアも、同じチームで競技できるようになっています。
 運動会は、毎年10月に共同募金の補助を受けて開催。行われる競技は全て、肢体、聴覚、視覚、知的障害など、どの障がいの方でも一緒に参加して楽しめるものになっています。

「福祉バザー」
 延岡市社会福祉協議会の主催で行われ、30年近い歴史があり、市民からの寄贈品は60000点以上、売上は400万円以上に上る大規模なバザー。毎年、1月末頃に開催されています。
 ボランティア協会では、所属団体が各売り場を担当し、2か月以上前から会員が参加して、毎日準備作業に協力しています。毎日運び込まれる多数の品物の品物の受付や整理、商品としての値付けや、会場設営及び陳列等を行い、バザー運営の根幹を成しています。
 現在、この他にも多数の行事を行っています。夏には「ふれあいサマーガーデン」、年末には「市民ふれあいパーティー」、研修及び親睦を目的とした「ミステリーツアー」等があります。
 いずれも、他の行事と同様、行事を通じて市民ボランティア意識の向上の促進や、障がいのある方との交流と相互理解等を目的にしています。

☆ボランティアの派遣
 登録団体や福祉施設・学校等の行事や事業等にボランティアを派遣しています。
 市内の小中学校等で行われる福祉体験学習には、車イス・視覚障害・高齢者疑似体験等の指導員としてボランティアを派遣しています。又、活動の専門性を活かした形で、手話サークルの方に手話教室、点訳ボランティアの方に点字教室等をお願いしています。その他、障がいのある方による福祉講話も行っています。
 又、平成17年の台風災害や、18年の竜巻災害など、市内及び近隣での災害発生時には、災害復旧ボランティアを多数派遣しています。

☆ボランティア活動相談
 事務局では、ボランティア活動に関する相談を常時受け付けています。
 ボランティア活動をしたいがどんな活動があるか分からない、自分に出来るボランティア活動を教えて貰いたい、と言った、市民の方からの相談に応じる他、所属団体や、外部の団体の行事や事業等の計画などにも、ボランティア活動の上での助言等を行っています。

☆構成団体間の連携と親睦
 様々な行事の開催を通じて、所属の団体間の連携や親睦を深める他に、月一回の代表者会では、各団体の行事や事業の紹介し、団体相互の理解や協力を進めています。


◆協働されている事業について教えてください。
・延岡市障がい児教育支援事業
 市内の小中学校の特別学級等で学んでいる子ども達に対して、校内での生活支援にあたっています。(延岡市教育委員会委託事業)

・市民協働まちづくり事業
 「延岡市民協働まちづくりセンター」事業では、計画の段階から話し合いに加わり、開設に伴い事務局をセンター内に移し、まちづくりセンターの運営に協力しています。

 今後は、賛助会員を中心とした企業との協働についても取り組みたいと思っています。
また区長会や体育協会等多きな既存の組織と協働することで大きなことができるのではないかと思っています。
 災害ボランティアに関しては、旭化成さんが1,000人規模の防災組織体制があるということですので、そことの協働ができればと思っています。また県域の災害に対しても、対応できる体制を作りたいです。


◆団体の有する専門性・知識・技術のPRを一言?
 福祉活動を中心に、長年様々な行事を行っていますので、行事運営についての相談や、経験豊かなスタッフの派遣が可能です。
 又、現在35の団体が所属し、福祉活動はもちろん、環境や文化活動、その他様々な専門知識や技術を持った方がおられますので、様々な活動についての相談・協力ができます。

◆これからどのような活動を行っていこうとお考えですか?
 ひょっとしたら日本全国中同じかと思いますが、登録団体の皆さんの高齢化と活動資金が問題になっています。ほとんど団体は、平均年齢が70歳以上ではないでしょうか?個人ボランティアを多く募って、その方々にあった団体をマッチングさせて世代交代がうまく進めばうれしいと思っています。また行政や社協や助成金等の手続きを代行してその問題の解決のお手伝いが出来ればと思います。
 また、無償ボランティアを有償化して、高齢になっても少しでもボランティアできる環境を作り、後期高齢者の保険料くらいは、自分で稼げる仕組みを作りたいです。また2,3人で考えたことが、仲間を多く集めることで、実現できる支援体制も作りたいです。

◆最後に一言PRを?
 現在は公設市民営のまちづくり協働センターに所属していますが、その登録団体や企業や行政と協働する事により、「延岡と言えば、福祉の街よね・・」と言われるように頑張りたいと思います。まだまだPRが行き届いていません。大いにボランティア活動に参加して欲しいと思います。このセンターを大いに活用してもらいたいと思います。これを機会にネットワークを広域化していきたいですね。福祉・ボランティアについて興味のある方、始めてみたい方はどうぞボランティア協会に御相談下さい。
〜お問い合わせ・連絡先〜

 特定非営利活動法人 延岡市ボランティア協会
 代 表  松下 宏
 住 所  〒882−0813
      延岡市東本小路131−5 延岡市民協働まちづくりセンター内
 会 員  約3,000人(35団体・個人会員)
 電 話  0982-35-2949
 FAX  0982-35-2949
 ホームページhttp://www.bura-vola.org/vd/a110873/

ライターズEYE
 民間の会社の経営と平行してNPO法人の会長をされていらっしゃる松下会長は、民間の発想で、NPO法人の経営ということを常に考えられている方でした。収益事業をいかに作り上げ、経営を安定させるかに一生懸命取り組んでいらっしゃいました。延岡市民力市場というNPO法人も立ち上げる予定ということで、延岡市民協働まちづくりセンター、延岡市ボランティア協会とのネットワークが、非常にうらやましく、また頼もしく思えました。
 会長は、別にNPO法人天下一市民交流機構の理事長として延岡市所有の天下一の刻印のある能面を使用しての薪能「天下一の舞」(人間国宝による)を毎年延岡城址で開催し天下一の交流拠点都市を目指しています。
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