◆主な活動は?
【音訳テープ作成】
現在は、「広報日向」の音訳テープを毎月出しています。これは委託事業として日向市のほうからいただいています。そのほかに新聞の社説やコラム欄を朗読したもの、また利用者の方からの要望にもそえる様なものを選んで音訳テープを作成しています。ミステリー小説とかが喜ばれていますよ。
以前は作成したテープを利用者のご自宅まで自家用車で配達していましたが、日向市の郵便局にかけ合って、市役所の福祉課や社協の推薦をもらって、第四種郵便物(盲人用郵便)も使えるようになりました。これによりテープを届ける費用がかからなくなりましたし、範囲も広げることができるようになりました。
【点訳作成】
音訳と同じく「広報日向」の点訳も委託事業として行っています。
※利用者は、音訳が約40名、点訳が約30名ほど
【音訳講座・点訳講座開催】
音訳や点訳を行っていただけるボランティアさんの養成講座を行っています。音訳講座は平成14年から、点訳講座は平成16年から年1回開催しています。音訳は15回連続講座、点訳講座は22回連続講座を全部受けていただいた方に終了証が出ます。受講生は50代の女性が多いですね。日向市でも音訳や点訳講座を行ってほしいと日向市にずっとかけ合いましたが、そのためには受けてくれる団体が必要だと。でも私たちはまだまだ小さな任意団体でしたから受けさせてはもらえない。でもこういう活動はどうしても日向市に必要だと何度も足を運んで訴えたところ、障害者センターのほうで受けていただけるようになり、私たちも活動できるようになりました。
今では直接私たちが受けて音訳講座と点訳講座を開催しています。任意団体としては異例のことだと思いますが、やはり私たちの活動が認められたからだろうと思います。
【施設訪問】
私たちのグループは音訳と点訳の2グループに分かれているのですけど、音訳のグループは毎月2回、高齢者福祉施設に行って、朗読したり、手遊びや紙芝居などのボランティア活動をしています。その他にも自動センターや本屋さんから声がかかると、随時読み聞かせにもいっています。
−活動する場所や時間帯は?−
毎月1回みんなで集まる定例会の他に、講座は毎週土曜日の午前中ですね。音訳講座は日向市総合福祉センターで、点訳講座は文化交流センターの男女参画のスペースをお借りして。音訳テープや点訳本は自宅で行います。音訳テープは、変な音が入るといけないので、夜、みんなが寝静まって、車も少なくなった時間帯を狙って作成しています。今、音訳はカセットテープに録音していますが、最近だんだんカセットテープが入手困難になってきています。でも現時点ではまだカセットテープが主流ですが、そのうちCDとか、そういうものに変わってくるのでしょうね。
◆活動を通してうれしかった事は?
最初にテープを吹き込んで持って行った時の胸の高鳴りは忘れられません。「良かったよ。ありがとう。また何か入れてきてね」って言われたときには、涙が出ました。こんなに「本を読みたい」と思っていらっしゃった方がいたんだと、ずっしりその重みを感じました。まずそれが一番ですね。本当に忘れられません。
◆どんなところにやりがいを感じていますか?
町を歩いていたりすると、知らない方から声をかけられるんです。こっちは知らない方なんですけど、向こうはテープに吹き込んだ私の声をおぼえていらっしゃって、声をかけてくださったんですね。いつもありがとうって言っていただけるんです。私は自分のやりたいと思うことをやっているだけで、それを喜んでいただけて、私がお世話になってると思うんですけど、「いつもお世話になってます」って声をかけていただけて。
それと、去年初めて利用者の方たちと交流会を行いました。そこで率直な意見をお伺いすることが出来ました。「もっとこうして欲しい」とか、そういう意見を聞くことが出来て今後の活動の参考になりましたが、それ以上に感謝の声をたくさん寄せていただけて、それが何よりの励ましになりました。年に1回はこのような交流会を行って行きたいですね。
◆この活動を通じてどんな事を実現したいですか?
虹の会は任意団体です。自分たちがやりたいと思って続けてきました。これは他の会員さんがどう言われるかわかりませんが、できたら組織化していきたいと思っています。本当のボランティアというものには社会的な責任が発生すると思います。ちょっとやってみたい、ちょっと時間があるからだけではもったいないと思うんですよ。自己満足で終わらず、相手のことを考えたボランティアを目指す後継者が続けてくれると良いですね。
◆5年後どんな活動をしていますか?
後継者の育成。これは力を入れてやっています。そして平成23年には障がい者センターが新築されます。そこに録音室を作ってもらえるようになりました。時間や外部の音を気にしなくても録音ができるようになります。そこを拠点に活動が続けられているでしょう。そうやって日向市とうまく連携をとっていきたいと思います。
◆協働事業への考え、取り組みについて
ボランティアの任意団体であっても行政などとの連携は絶対必要だと思います。頼るのではなく、お互い情報交換は必要でしょう。私たちは音訳や点訳の技術を持っていますが、録音機材とかダビングの機械とかは持っていませんでした。それを日向市にお願いして買っていただきました。役割分担です。
学校とも連携をとって、毎年中学校で点字・点訳とアイマスク体験を行っています。子供たちにも「目が見えない」ということはどういうことか、体験してもらって知っていただくことから取り組んでいます。
◆最後に一言PRを
世の中、いろいろ困ってる方がいらっしゃいます。それをお手伝いできる力を身につけて、たくさんの方がボランティアに参加していただけると良いなあと思います。人助けというとおこがましいですが、人の役に立てる、その喜びは実体験をしないとわからないと思います。この虹の会だけでなく、ぜひすべてのボランティア活動をやってほしいと思います。
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